償却資産に対する課税
固定資産税の課税対象となる償却資産とは、賦課期日(毎年1月1日)現在で事業者が事業の用に供することができる資産で、その減価償却額または減価償却費が法人税法または所得税法の規定による所得の計算上、損金または必要経費に算入されるものをいいます。
(「事業の用に供する」とは、所有者がその償却資産を自己の営む事業のために使用する場合だけでなく、事業として他人に貸し付けている場合も含みます。)
上記のことにより、償却資産を所有している方は、申告が必要となります。
次のような資産をお持ちの場合にも、申告が必要です。
- 償却済資産、簿外資産、遊休資産(休業中等)であっても、事業のために用いることができる資産
- 修理等の改良費のうち、資本的支出としたもの
- 建設仮勘定で経理されていても賦課期日(1月1日)現在、事業のために用いることができる部分
- テナント等が取り付けた家屋の附帯設備
- リース資産(資産の所有者が他の者に貸し付けて事業の用に供されているもの)
詳細は本ページ内の「リース資産」をご覧ください。
申告の対象とならない資産
- 土地・家屋
- 耐用年数1年未満、または取得価格が10万円未満の資産で法人税法等の規定により一時に損金算入されたもの(いわゆる「少額償却資産」)
- 取得価格が20万円未満の資産で法人税法等の規定により3年間で一括して均等償却するもの(いわゆる「一括償却資産」)
- 自動車税、または軽自動車税の課税対象となる自動車、原動機付自転車、小型特殊自動車等
- 無形減価償却資産(鉱業権、営業権、ソフトウェア等)
償却資産の評価
償却資産は、個々の資産の取得価額をもとに、その耐用年数と取得後の経過年数に応ずる価値の減少(減価)を考慮して評価します。
対象 | 評価額 |
---|---|
前年中に取得された償却資産 | 価格(評価額)=取得価格×(1-減価率の2分の1) |
前年前に取得された償却資産 | 価格(評価額)=取得価格×(1-減価率) |
(注意)上記計算式で計算した金額が取得価格の5パーセントを下回る場合、価格は取得価格の5パーセントとなります。
固定資産税における償却資産の減価償却の方法は、原則として定率法にて償却します。
- 取得価格
原則として購入の代価に引き取り運賃、引き受け運賃、据付日、その他当該償却資産をその用途に供するために直接要した費用を含めた金額です。 - 減価率
原則として耐用年数表(財務省令)に掲げられている耐用年数に応じて減価率が定められています。
税額の計算方法
上記の計算方法によって算出された評価額が決定価格となります。
課税標準額の特例の適用対象の償却資産がある場合には、適用後の額が課税標準額となります。
適用のない償却資産については、決定価格が課税標準額となります。
固定資産税額(100円未満切捨)=償却資産の課税標準額(1,000円未満切捨)×税率(1.4パーセント)
(注意)償却資産のみお持ちの方の税額の計算例です。
償却資産の免税点
課税標準額の合計額が150万円未満の場合は、固定資産税は課税されません。
申告書の提出について
償却資産の提出方法等については、次のリンクをご覧ください。
過年度への遡及等について
調査に伴う申告内容の修正や資産の申告もれ等があった場合は、その年度だけでなく、資産を取得された翌年度まで(原則として、地方税法第17条の5第5項に基づき、最大5年度分)遡及し、課税の修正をいたします。
実地調査等のお願い
町では、地方税法の規定に基づき、公平な資産評価のために、実地調査にお伺いすることや、申告内容について参考資料の提出をお願いする場合がありますので、ご理解とご協力をお願いします。
課税標準額の特例措置
- 地方税法349条の3及び地方税法附則第15条の規定に該当する資産
- 地域決定型地方税特例措置に該当する資産
地方税法に定められた固定資産税の課税標準の特例割合につて、地方自治体が法の範囲内において自主的に判断し、その内容を条例で定めることができる制度「地域決定型地方税特例措置(わがまち特例)」が導入されました。
現在、日出町では、わがまち特例の対象となる次の資産について、日出町税条例により課税標準の特例割合を定めています。
区分 | 特例割合 |
---|---|
法附則第15条第2項第1号(水質汚濁) | 2分の1 |
法附則第15条第2項第5号(公共下水道)) | 5分の4 |
法附則第15条第14項(都市利便施設 都市再生緊急整備地域) | 5分の3 (課されるようになってから「5年度分」) |
法附則第15条第14項(都市利便施設 特定都市再生緊急整備地域) | 2分の1 (課されるようになってから「5年度分」) |
法附則第15条第21項 (津波対策に資する港湾施設等) |
2分の1 (課されるようになってから「4年度分」) |
法附則第15条第22項第1号(指定避難施設) | 3分の2 (課されるようになってから「5年度分」) |
法附則第15条第22項第2号(協定避難施設) | 2分の1 (課されるようになってから「5年度分」) |
法附則第15条第22項第3号(協定避難家屋) | 2分の1 (課されるようになってから「5年度分」) |
法附則第15条第23項第1号(特定避難用償却資産) | 3分の2 (課されるようになってから「5年度分」) |
法附則第15条第23項第2号(協定避難用償却資産) | 2分の1 (課されるようになってから「5年度分」) |
法附則第15条第25項1号(再生可能エネルギー 太陽光、風力、地熱、バイオマス発電) | 3分の2 (課されるようになってから「3年度分」) |
法附則第15条第25項2号(再生可能エネルギー 特定バイオマス発電(バイオマスのうち木竹に由来するもの又は農産物の収穫に伴って生ずるバイオマスを電気に変換するものに限る。)) | 7分の6 (課されるようになってから「3年度分」) |
法附則第15条第25項3号(再生可能エネルギー 特定太陽光、特定風力、水力発電) | 4分の3 (課されるようになってから「3年度分」) |
法附則第15条第25項4号(再生可能エネルギー 特定水力、特定地熱、特定バイオマス) | 2分の1 (課されるようになってから「3年度分」) |
法附則第15条第28項(浸水防止用設備) | 3分の2 (課されるようになってから「5年度分」) |
国税と固定資産税における取扱いの相違点
償却資産に対する課税について、国税の取扱いと比較すると次のとおりです。
項目 | 固定資産税の取扱い | 国税の取扱い |
---|---|---|
償却計算の期間 | 暦年(賦課期日制度) | 事業年度 |
減価(償却)の方法 | 一般の資産は定率法を適用(固定資産評価基準別表第15に定められた減価率を用いる) |
建物並びに平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物以外の一般資産は、定率法・定額法の選択制 定率法を選択した場合以下のとおり適用される。
|
前年中の新規取得資産 | 半年償却(2分の1) | 月割償却 |
圧縮記帳の制度 | 認めていない | 認めている |
特別償却・割増償却 | 認めていない | 認めている |
増加償却 | 認めている | 認めている |
評価額の最低限度額(償却可能限度額) | 取得価額の100分の5 | 備忘価額(1円)まで |
改良費(資本的支出) | 区分評価 | 原則区分評価(一部合算評価) |
少額の減価償却資産 | 損金算入したものは課税対象とならない(本来の耐用年数を用いて減価償却した場合は課税対象) | 損金算入可能 |
一括償却資産 | 損金算入したものは課税対象とならない(本来の耐用年数を用いて減価償却した場合は課税対象) | 3年間で損金算入可能 |
青色申告書を退出する中小企業者等が租税特別措置法を適用して取得した30万円未満の減価償却資産 | 課税対象となる | 損金算入可能 |
償却資産の種類と具体例
資産の種類 | 具体例 |
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【1.構築物】 構築物 |
構内舗装(駐車場舗装含む)、門・塀・フェンス・緑化設備等の外構工事、看板(広告)、外灯など |
【1.構築物】 建物附属設備 |
変電設備、自家発電設備、壁面サイン工事、生産用又は特定業務用の電気設備など |
【1.構築物】 建物の所有者と異なる者 (テナント等)が施工した設備 |
店舗内造作設備、照明設備、給排水衛生設備、ガス設備、空調設備など |
2.機械及び装置 | 金属・印刷等の製造加工設備、土木建設設備、理容又は美容機器、複写機、その他各種製造設備等の機械及び装置など |
3.船舶 | 漁船、ボート、釣船、貨物船、遊覧船など |
4.航空機 | 飛行機、ヘリコプター、グライダーなど |
5.車両及び運搬具 | 大型特殊自動車(分類番号が「0、00から09及び000から099」、「9、90から99及900から999」の車両)、台車、その他運搬車など(自動車税、軽自動車税の課税客体となるものは該当しません。) |
6.工具、器具及び備品 | 事務机、椅子、パソコン、陳列ケース、応接セット、金庫、ルームエアコン、サイン看板、自動販売機、医療機器など |
業種別の主な償却資産
業種 | 具体例 |
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共通 | 応接セット、キャビネット、ロッカー、金庫、複写機、タイムレコーダー、自動販売機、ブラインドカーテン、LAN(ラン)設備、ファクシミリ、事務机・椅子、レジスター、テレビ、看板、ネオンサイン、パソコン、エアコン、内装・内部造作、駐車場設備、太陽光発電設備、基礎のない物置、大型自動車など |
喫茶・飲食店 | テーブル・椅子・カウンター、室内装飾品、金庫、ジュークボックス、ステレオ、放送設備、タオル蒸器、冷蔵庫、厨房用具、製麺機、混合器、製氷機、日よけ、カラオケ機器など |
理容・美容業 | 理容・美容椅子、消毒殺菌器、タオル蒸器、ドライヤー、赤外線灯、洗面設備、サインポールなど |
クリーニング業 | 洗濯機、脱水機、乾燥機、スリーブ、プレス、ビニール包装設備など |
農業 | 温室(ビニール製)、給排水設備、井戸、農業用耕作機械、農耕作業用自動車(大型特殊自動車に限る)など (注意)自動車税・軽自動車税の対象は除く |
ホテル・旅館業 | ベッド、カラオケ機器、製氷機、ボイラー、プール、庭園、電話交換設備など |
医療・薬局業 | 薬品戸棚、陳列ケース、分包器、エックス線装置、顕微鏡、心電計、消毒殺菌用機器、手術台、歯科診療用ユニット、投影機、光学検査機器、保育器、冷蔵庫、給食用厨房器具など |
小売業 | ショーウインド、陳列ケース、冷蔵ストッカー、店用簡易設備、間仕切り、日よけなど |
食肉販売業 鮮魚販売業 |
冷蔵庫(室)、冷凍機、陳列ケース、肉切機、ポンプ、挽肉機など |
精米業 | 精米機、調質装置、混米機など |
ガソリン給油業 | ガソリン計量機、リフト、充電機、コンプレッサー、証明設備、地下タンク、消火器、構内舗装(アスファルト及びコンクリート舗装)など |
自動車修理業 | 旋盤、プレス、ホーニング、リフト、チェーンブロック、オイルクリーナー、カーウォッシャー、コンプレッサー、溶接機、充電機、コンデンサー、グラインダー、万力、ドリル、検査工具、治具、取付工具、切削工具など |
金属製品 組立加工業 |
旋盤、ボール盤、定盤フライス盤、プレス、シャーリング、カッター、研磨機、グラインダー、モーター、溶接機、コンプレッサー、クレーン、検査工具、治具、取付工具、切削工具、受・変電設備、動力配線など |
不動産賃貸業 | 自転車置場、駐車場設備、排水溝、フェンス、緑化施設、庭園、門扉、屋外給排水設備、下水道接続設備、屋外照明設備、受・変電設備、発電機、蓄電池設備など |
リース資産
リース契約の内容 | 資産を借りている人 | 資産を貸している人 |
---|---|---|
通常の賃貸借契約による リース資産 |
×(バツ) (申告不要) |
○(マル) (自己資産として申告必要) |
売買にあたるような リース資産(注釈) |
○(マル) (自己資産として申告必要) |
×(バツ) (申告不要) |
(注釈)リース期間後に資産が使用者の所有物となる場合や所有権留保付割賦販売など
更新日:2024年04月01日