こころのまど(2026年7月号)

更新日:2026年07月16日

「戒名・法名」(以下、戒名)とは何ですか?

戒名は、亡くなられた人が僧侶から授けられる名前で、主に、葬儀の際に使われたり、位牌に書かれたり、墓に刻まれたりしたものです。
もともとは厳しい戒律を守って仏門に入った人が授かる名前で、経典を勉強し、仏様の教えを学んだ証として与えられていました。

戒名の悲しい歴史

人間平等を説く仏教の世界においては、差別は絶対に許されないことですが、実際にはそうではありませんでした。被差別身分の人々に対して、一般民衆には使われない差別的な字句で戒名がつけられていたのです。また、漢字をわざと変形させたり、差別語だとわかるような当て字を用いたりすることもありました。
このようにして作られた戒名を「差別戒名」といい、江戸時代初期には、差別戒名をどのようにつけるかという書物が相次いで刊行され、葬儀全般にわたり身分制に基づいた差別的様式が記されていたのです。このような実態は、明治に入ってもなかなか問題とされることはありませんでした。被差別身分の人々は生前、そして死後までも差別をされ続けてきたのです。

現在、宗教界の取組みは?

   1979(昭和54)年、ある僧侶の発言がきっかけとなり、宗教界における部落差別の実態が明らかにされました。各宗派でも差別戒名について独自の調査が始まりました。
1981(昭和56)年、永平寺で「差別戒名物故者追善供養」を行われ、その後、五十五教団三連合体によって「同和問題に取りくむ宗教教団連帯会議」が結成されました。
現在では、部落差別解消をめざす多くの人たちとともに、宗教界全体で差別をなくす努力が続けられています。

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