広報2月号
豊かな感性を育もう
詩人金子みすゞさんが書いた、『私と小鳥と鈴と』という作品があります。この詩の末尾の『鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがってみんないい』という一節は大変有名で、人権学習によく引用されています。
『星とたんぽぽ』 金子 みすゞ
青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
(出典 みすゞコスモス:わが内なる宇宙 JULA出版局)
この詩も、小学校の教科書に掲載されることの多い作品です。『現れていることだけを見るのではなく、多くのことを考えよう。そこには、見えなくてもあるんだよ、見えないものでもあるんだよ』という作者の思いがあふれています。
『積った雪』 金子 みすゞ
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。
(出典 みすゞコスモス:わが内なる宇宙 JULA出版局)
見えないものに優しい目線を注ぐ、それが金子みすゞさんの世界です。肉眼では視界の範囲しか見えませんが、心の目は無限に広げることができます。
人権教育・啓発では、正しい知識を身に付け、豊かな感性を育むことが大切です。豊かな想像力、すなわち、相手の立場になって考えることは、人として生きていく上で基本的なルールの一つです。想像力を働かせないと、無意識のうちに周りの人を差別してしまっているかもしれません。
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更新日:2025年03月31日