広報2月号

更新日:2025年03月31日

豊かな感性を育もう

詩人金子みすゞさんが書いた、『私と小鳥と鈴と』という作品があります。この詩の末尾の『鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがってみんないい』という一節は大変有名で、人権学習によく引用されています。

 

『星とたんぽぽ』   金子 みすゞ

青いお空の底ふかく、

海の小石のそのように、

夜がくるまで沈んでる、

昼のお星は眼にみえぬ。

見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ。

散ってすがれたたんぽぽの、

瓦のすきに、だァまって、

春のくるまでかくれてる、

つよいその根は眼にみえぬ。

見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ。

                                        (出典 みすゞコスモス:わが内なる宇宙 JULA出版局)

 

この詩も、小学校の教科書に掲載されることの多い作品です。『現れていることだけを見るのではなく、多くのことを考えよう。そこには、見えなくてもあるんだよ、見えないものでもあるんだよ』という作者の思いがあふれています。

 

『積った雪』     金子 みすゞ

上の雪

さむかろな。

つめたい月がさしていて。

下の雪重かろな。

何百人ものせていて。

 

中の雪 

さみしかろな。

空も地面(じべた)もみえないで。

                                        (出典 みすゞコスモス:わが内なる宇宙 JULA出版局)

 

見えないものに優しい目線を注ぐ、それが金子みすゞさんの世界です。肉眼では視界の範囲しか見えませんが、心の目は無限に広げることができます。

人権教育・啓発では、正しい知識を身に付け、豊かな感性を育むことが大切です。豊かな想像力、すなわち、相手の立場になって考えることは、人として生きていく上で基本的なルールの一つです。想像力を働かせないと、無意識のうちに周りの人を差別してしまっているかもしれません。

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