広報7月号

更新日:2023年07月06日

交差性・複合差別の 理解を

重なり合う差別

人は、性、出身、国籍、人種・民族、性的指向、障がいの有無など、様々な違いやアイデンティティ(自己同一性)を持っています。
そのなかで、マイノリティ(社会的少数派)のため、差別されたり、不利な立場に立たされたりしている人も少なくありません。それに加えて、民族的マイノリティの女性、性的マイノリティの子どもなど、複数のマイノリティ性を有している人もいます。
例えば、在日コリアン女性は、ヘイトスピーチを受けたり、アパートを借りにくかったりという民族差別に遭うだけではなく、家事・育児・介護は女性の役割だとして、一人で担ったり、職場や地域社会では女性であるということで、仕事や役割などを与えられなかったりすることがあります。

『在日コリアンで女性』であるということによる差別の両方が重なり合い、深刻な被害が生じています。このような差別状況を『交差性・複合差別』と言います。
しかし、これまで複数のアイデンティティが重なり合い差別を受けてきた当事者の苦しみや困難は理解されず、放置されてきたままでした。

当事者の声を聞きながら

1990年代、国連で『交差性・複合差別を考慮することなしにはジェンダー課題の解決はありえない』とされて以降、人権にかかわる国際文書には、交差性・複合差別の問題が必ず言及されています。
我が国でも被差別部落出身、在日コリアン、アイヌ、沖縄、障がいのある女性たちなど、被差別当事者によって徐々にですが、交差性・複合差別に関する問題提起がされつつあります。
人権課題の解決には、まず、多くの被差別当事者の声を真摯に聞くことが必要不可欠です。

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