広報3月号

更新日:2023年03月01日

水平社創立101年目の歩みが大切です 1

差別解消の原点…全国水平社

1871年、明治政府はいわゆる『解放令』を出しますが、部落差別は一向に解消されず、被差別部落(以下『部落』という)の人々の生活は困窮する一方でした。
当初、政府は「差別の原因は部落の側にある」として、部落の人々の自主的な改善を求めるのみでした。 次第に部落内外が仲良くして差別をなくそうとする融和運動が起こります。これは主として部落外の人が部落の人々に同情し、憐あわれみ、助けようとするものでした。
これに対して、部落の人々は、同情や憐れみでは、差別はなくならない、と自らの力で差別をなくしていくと立ち上がります。そして、1922年3月、京都で全国水平社(以下『水平社』という)が結成されたのです。
これが、自主解放の運動、水平運動の始まりです。そのときに採択された『綱領』『宣言』『決議』を詳しく見てみましょう。
・綱領
『綱領』では、1.部落の人々自らの力で自主解放する、2.差別をなくすために職業の自由・経済の自由を勝ち取る、3.部落解放はすべての人々の解放となる、と表明しました。
・宣言
『宣言』では『人間を尊敬することによって自ら解放せんとする者の集団運動』つまり、部落差別をなくすために人間の尊厳を守る運動を起こす、と主張し「自らを誇りうるときが来たのだ」と、自分たちのアイデンティティに誇りを持とうと呼びかけ、最後に「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と結んでいます。
・決議
『決議』では『徹底的糺弾(きゅうだん)』を掲げ、差別をされたときは、決して泣き寝入りせず、徹底して『異議申し立て』をしていこう、としたのです。
こうして、現在の部落解放運動の原点となる思想や理念が形成され、100年にわたる差別との闘いが行われてきました。

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