広報1月号

更新日:2022年06月09日

1月号 内なる差別意識を克服しよう

人権は、誰もが幸せを実現するための当然の権利です。

しかしながら、人権は、『かわいそうな人のためのもの』という間違った意識はありませんか。

最近、「『差別・差別』と言い立て、権利を主張することで有利な立場を得ている」と考える、『ねたみ意識』とは、少し違った『差別意識』が拡がりつつあり、インターネットの普及・利用がそれを助長しています。

平成15年に熊本でハンセン病回復者の人たちに対するホテル宿泊拒否事件がおきました。ホテル側は、県の説得で渋々謝罪しますが、回復者側は、形ばかりの謝罪はどうしても受け入れることができませんでした。「元患者側がホテル側の謝罪を拒否した」とマスコミが一斉に報道すると、状況が一転。匿名の電話や手紙による誹謗・中傷が回復者の療養所『菊池恵楓園』に毎日のように送り届けられました。

当時の熊本県知事だった潮谷義子さんは、「同情の対象でしかなかった人たちが権利を主張する。自分たちが優位に立っていることが覆されることに耐えがたい人たちがこんなにもいることをまざまざと感じた」「相手の人格を踏みにじるような言葉が次々に投げつけられ、その激しさにたじろぐ思いであった」「国家賠償訴訟に勝ったのだから、多くの人々に理解されて差別から解放されたと思っていた。でも、実は全然そうではなかった」と語られています。その後に続く「長い歴史の中で形成されてきた差別だ」という言葉は、部落差別や女性差別など他の差別にも重なります。

このように相手を自分より下にみる『かわいそう』という意識、見たり、聞いたり、触れたりすることを『さけよう』とする意識や、『ねたみ意識』などの『差別意識』をなくさない限り、誰もが幸せに生きることはできません。だからこそ、『差別意識』とは、どんなもので、どのような構造なのかを一人一人が正しく理解し、心の中に潜む『内なる差別意識』を克服して、みんなで差別のない人権が確立された共生社会の実現をめざしていきましょう。

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