広報6月号

更新日:2022年06月07日

6月号 ことばの表記

自分の思いを伝える方法の一つにことばがあります。思いをしっかり伝えるためには、ことばの意味や使われてきた背景をつかんでおく必要があります。長年にわたって人権教育の普及・啓発に努めている団体、大分県人権・部落差別解消教育研究協議会(以下、県人教)には、これまで議論や実践を通して大切にしてきたことばや表記があります。

 

☆子供→子ども

『子供』の『供』は、『ある物を左右の両手でうやうやしくささげる様を示し、そなえる、差し出す、身分の高い人に付き添うこと、複数、へりくだった気持ち』をあらわしています。子どもは供え物でも、複数でも、へりくだるべきものでもないので、『かな』を用いています。

 

☆父兄→父母→保護者(親)

女性が権利を奪われた状況におかれた家制度の中で、父親がいなくなると、その子の親権は『母』ではなく『兄』に移りました。『父兄』はそういう背景をもちます。『父母』も使われますが『父』『母』ともにいない状況で生きぬいている子どものことを考えれば、『保護者』がより望ましいと考えます。また、『保護者』と同様に『親』という言葉はよく使われますが、今では家庭状況が複雑化し、『親』ではあるが『保護者』ではない、『保護者』ではあるが『親』ではない、といった状況もあります。大切なことは子どもやその家庭の背景をしっかりとつかみ、そのことに思いをはせることであると考えます。

(第42回大分県人権教育研究大会資料より)

 

資料には、さらに「ここに挙げていることばは一部であり、ひとつひとつの表記について気になることがあれば、その都度論議していくことが必要です。大切なことは、『誰が気になるのか』『誰かに言われたから』ではなく、『自分はどうなのか』ということです」と記されています。ことばには、それぞれ歴史や使われてきた背景があり、時代とともに変化し現代に至っているものもあります。使う側、受ける側の立場になって考える必要もあります。「このことば、気軽に使っているけれどもどうなんだろう」と、その都度、周りの人と話し合ってみてはいかがでしょうか。そうすることで新たな発見や見方・考え方に気づくことができるかもしれません。

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