町長室から(第3回)
今年の城下かれい祭りは、天気に恵まれてたくさんのご来場客で賑わいました。4年ぶりのステージもほぼ満席の状況で、喜んでいただけたのではないかと思っております。皆さんのご来場に感謝申し上げます。
熊本地震から学ぶこと
熊本の地震については、被災地も落ち着きを取り戻し始めたと見えて、ニュースで報道されることがだんだん少なくなってきました。そんななかで、4月26日朝にこんなニュースが報道されていたので紹介します。それは『熊本地震“後輩の死を伝える”~悲しみを語り継ぐ大学生~』という見出しの少し長いNHKニュースでした。登場する学生やその友人が住んでいたアパートが地震で倒壊して、友人が家屋の瓦礫の下敷きになったとのことです。そのとき、無我夢中で友人を助け出したということですが、日頃から学生同士で部屋に行き来して、どの部屋に誰がいて、部屋のどこに寝ているかを知っていたから即座に助けられたと言っていました。ただ、それでも一人だけ助け出すことができなかった、そのことが残念だという話でした。
このニュースを見ていて考えさせられたことがあります。それは地域のつながりのことです。近年、都市化が進み、住民意識も変化してきて、地域のつながりが希薄化していくことが心配されます。そして、この希薄化は、災害時の共助にも影響を与えます。災害弱者になることが心配される65歳以上の高齢者のみの世帯は、町内に2826世帯あり、うち1230世帯が独居の状況です(平成28年12月末現在)。これらの方は、いざ災害となったときに自分の命を守ることがままならないということがあるかも知れません。また、高齢者ではなくても場合によっては同じ状況が考えられます。
地域のつながりは、平時は特にありがたみを感じないかもしれませんが、一旦事が起きた時には、大きな力になると思います。『遠くの親戚より近くの他人』とはよく言ったもので、常日頃から周囲の人たちと良好な関係を築いておくことは大切なことだと思います。
町といたしましては、皆さんが安心して暮らせるよう災害に強いまちづくりに引き続き取り組んで参りますので、ご協力をよろしくお願いします。
健康づくりの推進について
昨年度に実施された県民健康意識行動調査の結果によると、日出町は食塩摂取量が県下で最も高いことがわかりました。また、高血圧性疾患の標準化死亡率が県平均を大きく上回っており、さらに国民健康保険の医療費を分析すると脳血管疾患患者の一人あたり医療費が県内で最も高額であることも分かりました。
一方で、平成25年度に実施した健康増進・食育推進計画の町民アンケートでは、健康づくりのために『栄養・食生活』を学びたいという声が最も多く、回答の半数を占めています。こういったことから、町民の皆さんの健康を守るために、脳血管疾患の原因の一つとなる高血圧の予防として節塩対策に取り組むことといたしました。
今年度は、まず特定健診受診時に尿検査による食塩摂取量の把握を行うとともに、現在の食習慣について記入していただき、健診を受けた方の食塩摂取量を目に見える形でお知らせすることといたしました。その後、節塩についての教室を開催し、節塩のアドバイスやうま塩の試食などを体験していただこうと考えております。脳血管疾患は、要介護の原因となり、生活の質の低下を招くばかりでなく、医療費や介護給付費の増加につながるため早急な対応が必要と考えています。
住み慣れた地域でいつまでもお元気で暮らしていただくために、住民組織の皆さんのご協力もいただき、健康づくりに取り組んで参りますので、ご協力をよろしくお願いします。
また、がん検診についても日出町は受診率が国の目標値を大きく下回っています。がん検診意向調査の結果では、受診しない理由の一つに『受診時の自己負担額が高い』との声がありましたので、今年度はその引き下げを行いました。多くの皆さんに受診していただき、早期発見・早期治療を行っていただきますようお願いします。
(注意)以上の内容は「広報ひじ」平成29年6月号に掲載されたものです。
更新日:2022年03月31日