町長室から(第17回)

更新日:2022年03月31日

左側にワイシャツとスラックス姿の町長、右側に赤いタオルを頭に巻き、オレンジ色のTシャツを着た男性が並んで座っており、カメラ目線で握手をしている様子

今年の夏は例年以上に暑い日が続いて、熱中症のニュースが7月中旬から8月上旬まで毎日のように流れていました。そんな暑さもお盆が過ぎる頃から緩んできて、8月下旬は朝晩が過ごしやすくなってきました。

9月は県民体育大会が開催されます。今年は県南ブロックを中心に行われます。昨年は、速見郡はC部優勝を果たしましたので、今年はB部での戦いになります。選手の応援をよろしくお願いします。

山口県で行方不明の2歳児を発見した尾畠春夫さんについて

お盆も終わりに近づいた8月15日、日出町の名前がテレビ各局の全国放送で流れました。

町民の皆さんもご覧になったと思いますが、山口県の周防大島町で8月12日から行方不明になっていた2歳の男の子を、15日の早朝に、日出町川崎地区にお住まいの尾畠春夫さんが発見したというニュースでした。このニュースを見て日本中の人がほっとしたのではないかと思います。

翌日16日に、日出町に帰ってこられたので、敬意を表するために川崎のご自宅に伺い、お話をさせていただきました。

尾畠さんは、2年前に佐伯市で2歳の女の子が行方不明になったときも捜索に参加したそうです。その時の経験から、子どもは上のほうに行くと信じて、男の子が最後に確認された場所から山に向かって探していて見つけたとのことです。

尾畠さんは、14日午前9時半に『山口県へ2歳の子供をさがしに行く』と書置きして自宅を出発、その日のうちに周防大島町に着いて翌朝からの捜索のための準備をしたそうです。行方不明になって2日過ぎているが、この間何も食べていないだろうから、最初に口に入れてあげるのは何がいいかと考え、小さな飴玉を用意しました。また、車の中で夜が明けるのを待っているとき、雨が天井を叩いたことから、男の子が雨に濡れているだろうと考え、バスタオルを携行品に加えるなど、周到な準備をして臨んだそうです。

見つけたときは、怖がらないようにやさしく声をかけて緊張を解くなど、とてもきめ細かい気配りのできる方です。

尾畠さんは、今回、男の子を発見したことで有名になりましたが、尾畠さんの素晴らしいところは、今回に限らずこれまで永い間ボランティア活動を続けてこられていることです。65歳のときに鮮魚店を閉めてから、「人のために役に立ちたい」という思いで、ボランティア活動をするようになって、東日本大震災の時は南三陸町に、熊本地震の時は南阿蘇村に、そのほか各地で発生した水害の現場にも駆けつけるなど、あちこちでボランティア活動をしてこられました。平成23年6月号の『広報ひじ』でも、尾畠さんのボランティア活動を紹介しています。

ボランティア活動についての考え方も信念をお持ちの方です。

男の子の祖父から、お風呂を勧められたり、傘を差し出されたりしても、固辞されている場面がテレビで報道されていましたが、それには尾畠さんなりの考えがあってのことです。

「ボランティアをするときは、『助ける』という気持ちではなく、『手伝わせてくれますか』という気持ちを忘れないようにしている。『放っておけない』と勝手に自分が押しかけたのだから、お礼を受け取るわけには行かない」と言っておられます。

日出町の公式ツイッターには、尾畠さんのボランティア活動に対する姿勢やその行動力について賞賛の声が多数寄せられています。

尾畠さんは、日出町民に勇気と誇りを与えてくださいました。

お話では、またすぐに広島県に向けて出発するとのことでしたから、この原稿を書いている頃は、7月豪雨で被災された広島県でボランティア活動をされていることと思います。どうぞお体に気をつけられて、これからもご活躍されることを念願します。

(注意)以上の内容は「広報ひじ」平成30年9月号に掲載されたものです。  

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