町長室から(第22回)

更新日:2022年03月31日

  1年前の冬は、A型のあとに流行するといわれているB型がA型に先んじて流行して、ワクチンが不足しているというニュースが流れていました。今年のインフルエンザは、現在はA型が流行していて、時期は例年なみですが、今冬のA型は2種類あるとのことで、一度罹ったのに完治後再びインフルエンザに罹ったという話を聞きます。まだまだ油断できません。皆さんもインフルエンザにご注意ください。

避難行動要支援者個別支援プランについて

2月11日、別府市役所で『別府市における障害者インクルーシブ防災事業』報告会に参加してきました。この事業は、『平常時から障がい者等要支援者のニーズを把握して個別避難計画を作成し、地域ごとにつながるシステムを作っておく』『災害時にその仕組みを活用して、安否確認から避難支援、避難生活支援など“命を守る活動”を進められるようにする』ことを目的に、『福祉フォーラム別杵速見実行委員会』が実施しているものです。

この実行委員会は、平成28年に、障がい当事者を含めた地域住民が参加する避難訓練を実施しました。避難訓練や会合の様子を撮影した映像を拝見しましたが、皆で避難する際に、電動車いすを使っている障がい者の方が、訓練時の緊張や寒さで車椅子の操作が困難になるなど健常者では気付かない予想外の事態が起きていました。また、その際の会合では、住民の一人から「自分たちは忙しい。現実の問題としていざというときにどれだけの支援ができるのか」との声があがっていました。

しかしながら、話し合いを重ねるうちに、支援についての理解が深まって、「車いすでの避難が困難なら、リヤカーを使ったらどうか」など、参加者から様々な意見が出るようになってきたとのことです。

29年度には、それまでの経験や福祉専門職の協力を得て障がい者数人の個別避難計画を作り、訓練を行ってきました。

今回の報告会は、別府市が平成28年度から行ってきた取り組みを報告する場ですが、防災については、自治体ごとの取り組みと共に、近隣市町による広域連携も重要になることから、杵築市長と私に出席依頼があったものです。

報告会では、『自治体はこう考える!』ということで、いくつか意見を求められましたが、そのなかで『共助を実現するために必要なこと』として、「要支援者と予見される方が『自助』で避難行動をすることには限界がある。地域における『共助』が必要であることから、避難時にそれを支援する人材の確保が重要」ということを申し上げました。

日出町では、昨年の7月に『避難行動要支援者避難行動支援計画』を策定しました。町内には、避難の際に支援が必要と思われる方が約5,400名います。そのうち、災害に備えて平常時から個人情報等を避難支援等の関係者に提供することに同意された方について、災害時に安否確認や避難支援を行うための避難行動要支援者個別支援プランの作成を進めています。

この支援プランでは、避難行動要支援者1名につき避難サポーターを2名選定するようにお願いしていることから、区長さんや民生委員・児童委員さんと自主防災組織が一緒になって作成していただいています。これまで、7つの自主防災組織でプランの作成が完了しましたが、避難時には避難サポーターの存在が大きな力になります。最近は気象の急変などでいつ、どこで災害が発生するか予測が難しくなっていますが、南海トラフ地震に限っては、その発生確率は今後30年以内に70~80%といわれていますので、被害を最小限に食い止めるために、避難サポーターの選定にご協力をお願いします。

(注意)以上の内容は「広報ひじ」平成31年3月号に掲載されたものです。

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