町長室から(第40回)

更新日:2022年03月31日

月ごよみカレンダーも最後の1枚になり、いよいよ年末が近づいてまいりました。振り返ってみると、春以降は連日、新型コロナウイルス感染症に関する話題が伝えられた一年でした。

世界中に感染が広がり、多くの方が犠牲になりました。およそ100年前のいわゆる『スペイン風邪』の時に似ていると言われながらも、なかなか効果的な対応策が見いだせず、この感染症に振り回された気がします。

また、経済にも大きな影響を与えました。国内では経済の再活性化策として様々な取り組みが行われましたが、経済活動を活性化しようとすると人の移動が活発になり、それを進めると感染症の拡大を抑えることが難しくなるという状況の中で、今も政府や自治体が苦悩しています。国の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、室温18℃以上、湿度40%以上を推奨しています。これからますます寒くなってきますので、皆さまには、換気と加湿に十分ご注意ください。

押印の廃止について

新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活や仕事における慣行の在り方を考えるきっかけになりました。

最近話題に上っている押印廃止の議論もその一つです。行政においては、これまでも押印廃止が何度か話題に上ったことはありましたが、具体的な動きには結びついていませんでした。

今回の議論のきっかけの一つは、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークが推進されたことです。今は日本中にインターネット網が張り巡らされており、環境が整っていることから導入が進んできました。ただ、テレワークで勤務先から離れた場所で仕事をしていても、決裁の場面では上司などの押印を得るため出社しなければなりません。そのため、押印だけのための出社を減らそうという動きが始まりました。

今年4月に開催された政府のIT総合戦略本部の会合で当時の安倍晋三首相は、「民間の経済活動で紙や押印を前提とした業務慣行を改めるよう、全面的に点検してほしい」と閣僚らに指示しました。これにより押印の廃止議論が現実のものとなりました。加えて、9月に河野太郎行政改革担当相が全省庁に対し、行政手続きで印鑑を使用しないよう要請したことで、行政機関での議論が加速されました。

一般的に、押印をするのは個人や法人が給付やサービスなどを受けるために、役所への申請や企業への申し込みなどをするときが主な場面と思います。これらの行為においては、電子申請が導入されれば、押印は不要になってきます。残るは紙ベースでの申請などにおける問題です。インターネットが使える環境にない場合は、紙の申請書に書いて役所などに提出する必要がありますが、これについての押印廃止が今回の主な問題です。申請が本人の意思で行われたかどうかを、複製が難しいとされている印鑑が押されていることによって信頼していたのがこれまでのやり方ですが、今回はそこを大きく変えようというものです。

現在、日出町では押印廃止に向けて庁内協議を進めています。住民の皆さまが押印する機会は、申請書や申込書、届出書を提出する場合などが多いと思います。「原則、押印廃止」の姿勢で取り組んでまいりますが、すべて押印を廃止して署名のみにすると、体が不自由な方に文字を書くことを強いることにもなりかねないので、そうしたことにも配慮しながら、来年度からの実現にむけて議論を重ねていきます。

皆さまのご理解、ご協力をよろしくお願いします。

(注意)以上の内容は「広報ひじ」令和2年12月号に掲載されたものです。

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