町長室から(第76回)
認知症高齢者 家族の安心
認知症高齢者などの安全確保と家族の精神的負担を軽減するため『認知症高齢者等SOSネットワーク』を設置したことは、以前にもこのコーナーで紹介しました。認知症により行方が分からなくなる恐れのある人を、日常的に見守り、いざというときに早期発見できるようにしようというものです。警察や消防、郵便局や区長会など43の団体や企業に協力していただき、会議を開き、情報伝達方法の確認などしながら、いざというときに連携できる態勢をとっています。
厚生労働省によると、来年には65歳以上人口の5分の1が認知症になると予想されています。家族に自力で歩行できる認知症の方がいる場合、一人で外出して行方不明になる不安を抱えていると思います。
また、火の不始末で火災を起こしたり、他人の家庭の器物を壊したりすることが考えられますし、線路に入って列車を止め、鉄道会社に損害を与えるなども実際に起きています。このような場合には、認知症の方が賠償責任を負うことはなく、代わりに法定監督義務者が賠償責任を負う可能性があります。
こうしたことから、認知症の家族を持つ方の安心のために、本年度から認知症高齢者の個人賠償責任保険の加入事業を行うことといたしました。
この保険は、法律上の賠償責任を負った場合に、その賠償金を補償するためのものです。保険料は町が負担しますので、加入者の負担はありません。加入対象者は『日出町認知症高齢者等SOSネットワーク』に登録している方となっています。
認知症の家族をお持ちの方におかれましては、毎日を安心して暮らすために、家庭で抱え込まず町に相談していただくとともに、SOSネットワークへの登録など、制度の活用をお願いします。
(注意)以上の内容は「広報ひじ」令和6年4月号に掲載されたものです。
更新日：2024年03月27日