町長室から(第27回)

更新日:2022年03月31日

  今年の九州北部の梅雨は、平年に比べて約2週間短かったのですが、梅雨の間は連日のように雨が降り、農作業などが思うに任せない日が続きました。これからは台風のシーズンになりますので、雨の情報には引き続きご注意をお願いします。また、暑い日が続きますので、熱中症にもご注意ください。

日出町行財政改革大綱について

7月1日、日出町行財政改革大綱とそれに基づく第1次行財政改革推進プランを策定しました。

日出町は、これまでにも行財政改革に取り組んで来ています。平成17年3月には『日出町行財政改革プラン』を策定し、21年度までの5年間、改革に取り組みました。当時は、国の三位一体改革によって地方交付税などが大幅に削減されたこと、バブル経済崩壊後の国の経済対策に対応して社会資本整備を積極的に推進してきたことなどから、そのままでは数年で財政調整のための基金が枯渇してしまうという危機的状況になっていました。

この時は、補助金の見直し等と併せて職員数の削減、職員や特別職の給料の削減を行いました。また、町議会においても、議員の定数や報酬の削減を行っていただきました。これらの行財政改革の結果、枯渇が懸念されていた財政調整用基金は、平成20年度末には約11億8千万円を確保することができました。

その後も、さらにスリムで効率的な行政経営体への転換を図るべく、平成22年3月に『第2次日出町行財政改革プラン』を策定し、平成24年度までの3年間、取り組んできました。

その結果、平成24年度末の財政調整用基金は17億円弱を確保することができました。

しかしながら、増え続ける社会保障費に加え、新町立図書館の運営経費や一部事務組合への負担金の増加などにより、平成28年度から3年連続で財源が不足したことから、財政調整用基金を取り崩して補填してきました。社会保障費は依然として増え続けることが見込まれ、また公共施設の耐震化や小中学校の空調設備整備そして暘谷駅周辺整備事業などのための地方債の償還が増加することから財源不足は続きます。そうしたことから、令和5年度末には、財政調整用基金が5億円にまで減少する見込みとなっています。

その一方で行政は、少子高齢化などの社会構造の変化への対応や公共施設やインフラの老朽化対策など多くの行政課題に応えていかなければなりません。限られたマンパワーで質の高い行政サービスを提供し続けるためには行政運営の効率化が重要となってきます。

そうしたことから、これらの課題の整理と対応策をまとめた計画を策定するため、日出町行財政審議会を立ち上げ、各種団体でご活躍されている方や有識者など13名の皆様に委員になって頂きました。昨年から3回にわたって審議会を開催し、毎回熱心に議論して頂きました。

審議会では、「日出町の財政状況は悪くないと思っていた。職員だけでなく、町民の皆さんにも危機感をしっかり認識してもらうことが大切」「課題を町民と共有することが大切なので、シンプルで分かりやすさを意識して欲しい」「ふるさと納税は国民に人気の制度なので、歳入の確保に積極的に活用すべき」といったご意見がありました。

また、「今回のプランには身を切る改革が入っていないがどうしてか」というご質問もありました。行財政改革というと、先述のように職員給料等の削減が盛り込まれることが多かったことから、疑問を持たれたのだと思います。これについては、日出町は平成17年に策定した行財政改革プラン以降、途切れることなく職員の皆さんに給料の削減に協力してもらっており、それは現在も続いています。特別職についても同様です。そうしたことから、今回のプランには、さらなる削減は盛り込まなかったものです。

こういった意見を踏まえて作成した計画案について、パブリックコメントを経て、6月25日に審議会会長の日廻文明関西学院大学教授から『行財政改革大綱』と『第1次推進プラン』の答申があり、これを受けて策定しました。(詳しくは、2ページから5ページをご覧ください)

今回の大綱は、第5次日出町総合計画の下支えのための行財政運営の基盤強化を目的にしております。第1次推進プランではその基本方針に沿って主に財政面の改革を推進していくこととしており、目標とする財政効果額は約5・5億円としています。

プランに基づき『持続可能な行政経営の確立と共創のまちづくり』をめざして、行財政改革に取り組んでまいりますので皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いします。

(注意)以上の内容は「広報ひじ」令和元年8月号に掲載されたものです。

この記事に関するお問い合わせ先

政策企画課
〒879-1592 大分県速見郡日出町2974番地1
電話番号:0977-73-3116
ファックス:0977-72-7294
メールフォームによるお問い合わせ