町長室から(第35回)

更新日:2022年03月31日

新型コロナウイルスについて

4月16日夕方、安倍総理大臣が、緊急事態措置の実施区域を全都道府県に拡大することを表明しました。4月7日に7都府県に対して発出してから9日後のことです。

全国の感染者数は、緊急事態宣言の発出前日の4月6日には4,097人だったのが15日には8,719人になり、9日間で倍以上に増えています。

総理の説明では、北海道などの6道府県においても、先に実施区域とした7都府県と同程度のまん延が進んでおり、さらにそのほかの県においても都市部からの人の移動などにより感染拡大の傾向が見られるとのことです。そうしたことから、ゴールデンウイークにおける人の移動を最小化するため、全都道府県を対象にしたとのことです。

説明の中には「不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたいで人が移動することを絶対に避けるよう、住民の皆さんに促していただきたい」との強い表現があり、ゴールデンウイークにおける人の動きで感染症がまん延することを何としても防ぎたいとの思いが伝わってきます。また、緊急事態措置を5月6日までで終えるために、最低7割、極力8割の接触削減を実現しなければならないとのことです。

大分県は、総理の表明に先立つ16日午前に、県立学校の5月1日までの休校などを決定するとともに、県立図書館などの社会教育施設を5月6日まで休館としました。あわせて、市町村立の小中学校等についても県の対応を踏まえて適切に対応するよう要請がありました。

これを受けて、日出町は、同日午後直ちに新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、町立小中学校を臨時休業にして5月7日に再開することといたしました。また、町立施設の休館を5月6日まで延長することなどについても決定しました。現下の状況をご理解のうえ、ご協力をよろしくお願いします。

今回のような感染症の大流行は100年ほど前にもあったようです。スペイン・インフルエンザ(日本ではスペイン風邪と表記されることもある)のことが、日経新聞に4月15日から3日間連載されておりました。それによると、1918年3月に米国カンザス州の陸軍基地から感染が始まったとのことです(真の発生地は米国以外の可能性もあり不明とのこと)。時は第一次世界大戦のさなかであり、5月には西部戦線、夏には欧州全域で感染が拡大、それがアジア、アフリカ、南半球に飛び火して、秋以降に世界的な大流行になったとのことです。地球規模になったことは今回の新型コロナウイルスの広がり具合によく似ています。

記事の中には、この時の感染の被害をまとめた『史上最悪のインフルエンザ』という本(著者アルフレッド・W・クロスビー)の内容が出てきます。この本の訳者で仙台医療センターの西村秀一ウイルスセンター長は、「致死率が高くすぐに重篤になる場合は、患者は動き回れず感染は簡単には広がらない。大半が軽症ですむ感染症こそ警戒すべきだ」と言っています。また、「パンデミック(世界的な流行)は第2波がありえる。冬に来ると被害が大きい」とも言っています。

この流行が長引いて再び寒い時期を迎えると、密室は避けられなくなります。暖かいうちに終息を、それがだめでも収束の方向には何としても持ち込まなければなりません。

前述の安倍総理大臣の表明を受けて、4月17日には県の対策本部から『大型連休に向けて都道府県をまたいだ不要不急の帰省や旅行などは絶対に避けること』との通知がなされています。

町民の皆さまには、既に小中学校の臨時休業や町立施設の休館などでご不自由とご不便をおかけしておりますが、この際一人ひとりが「自分は絶対に感染を拡大させない」という強い意志をもっていただいて、連休明けまでの外出自粛に一層のご協力をお願いします。

ご自身とご家族の健康を大切にしながら、この難局を一緒に乗り越えましょう!

(注意)以上の内容は「広報ひじ」令和2年5月号に掲載されたものです。

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