○日出町環境保全条例
平成2年3月15日条例第7号
日出町環境保全条例
目次
第1章 総則
第1節 通則(第1条・第2条)
第2節 町長の責務(第3条―第7条)
第3節 事業者の責務(第8条―第11条)
第4節 住民の責務(第12条・第13条)
第2章 公害発生源の規制
第1節 工場等に関する規制(第14条―第16条)
第2節 家畜飼養施設に関する規制(第17条―第24条)
第3節 生活環境の保全(第25条―第36条)
第3章 雑則(第37条―第40条)
第4章 罰則(第41条―第43条)
附則
第1章 総則
第1節 通則
(目的)
第1条 この条例は、日出町住民が基本的権利である健康で文化的な生活を営むうえにおいて快適な生活環境の確保がきわめて重要であることにかんがみ、大気汚染、水質汚濁、騒音等による公害並びに産業廃棄物の不法投棄による環境破壊に関し町長、事業者及び住民の責務を明らかにすると共に快適な生活環境を守るための施策の基本となる事項を定めることにより、その施策の推進にあらゆる力を結集して住民の快適な生活環境を守ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 生活環境
人の生活に関する環境をいい、人の生活に関係ある財産並びに人の生活に関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。
(2) 自然環境
自然の生態系をめぐる土地、大気、水及び動植物の環境をいう。
(3) 公害
事業活動その他の人の活動に伴って生じる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって人の健康又は生活環境に係る被害が生じることをいう。
(4) 廃棄物
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。
(5) 産業廃棄物
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第4項に規定する産業廃棄物をいう。
(6) 工場等
事業活動を行う場所のうち、工場及び事業場をいう。
(7) ばい煙等
ばい煙、粉じん、汚水(廃液を含む。以下同じ。)、騒音、振動及び悪臭をいう。
(8) 規制基準
事業活動その他の活動を行うものが遵守すべきばい煙等の発生に係る許容限度その他規制事項で法令等で定めるものをいう。
第2節 町長の責務
(基本的責務)
第3条 町長は、住民の快適な生活環境を確保するうえにおいて必要な指導及び規制措置を講じなければならない。
(公共施設の整備)
第4条 町長は、快適な自然環境及び生活環境の保全を図るため、公共施設の整備を促進しなければならない。
(公害防止協定等の締結)
第5条 町長は、住民の健康で、かつ、快適な生活環境を確保するため公害の発生のおそれのある工場等を設置している事業者又は新設若しくは増設しようとする事業者と公害防止に関する協定を締結するよう努めなければならない。
(苦情の処理)
第6条 町長は、公害その他住民の快適な生活環境の侵害等住民からの苦情について、関係行政機関と協力して迅速かつ適正な処理を図るよう努めなければならない。
(知識の普及等)
第7条 町長は、快適な自然環境及び生活環境の確保に関して住民の意識を高めるため、公害に関する知識等の普及に努めなければならない。
第3節 事業者の責務
(基本的責務)
第8条 事業者は、その事業活動によって人の健康で、かつ、快適な環境を侵害しないようその責任と負担において必要な措置を講ずるとともに、町長その他の行政機関が実施する施策に協力しなければならない。
(最大努力義務)
第9条 事業者は、法令及び本条例の規定に違反しない場合においても、そのことを理由として公害の防止について最大限に努力することを怠ってはならない。
2 事業者は、その事業活動により住民の快適な生活環境の侵害等に係る紛争が生じたときは誠意をもって解決にあたらなければならない。
(管理及び監視義務)
第10条 事業者は、その事業に係る公害の発生源を厳重に管理するとともに、公害の発生源、発生原因及び発生状況を常時監視しなければならない。
(公害防止協定等締結義務)
第11条 事業者は、第5条の規定による協定に関し町長から協議の申出があったときは誠意をもってこれに応じるとともに、当該協定等の事項を確実に履行しなければならない。
第4節 住民の責務
(基本的責務)
第12条 住民は、常に環境保全に努め、自ら公害を発生させることのないよう努力し、地域の快適な環境を破壊することのないように努めなければならない。
(通報等の義務)
第13条 住民は、公害の発生状況及び快適な環境の侵害の状況について町長に通報するとともに、町長その他の行政機関が実施する施策に協力しなければならない。
第2章 公害発生源の規制
第1節 工場等に関する規制
(規制基準の遵守等)
第14条 工場等を設置している者は、当該工場等から規制基準に適合しないばい煙等を排出又は飛散させてはならない。
2 前項の規定は、規制基準の設定された日前から、工場等を設置している者(施設の設置の工事をしている者を含む。)の当該施設又は当該作業については当該規制基準の設定された日から6か月間は適用しない。ただし、周囲の状況等から判断して町長が認める場合はこの限りでない。
(屋外作業の制限)
第15条 事業者は、作業の性質上やむを得ない場合を除き、屋外でばい煙等を発生させ、又は飛散させる作業をしてはならない。
(位置の制限)
第16条 工場等を設置しようとする者は、規則で定める学校、病院等の敷地の周囲において工場等を設置してはならない。ただし、学校、病院等が工場等の設置後に設置されたとき又は周囲の状況等から町長が特に支障がないと認めたときは、この限りでない。
第2節 家畜飼養施設に関する規制
(設備基準及び管理基準)
第17条 町域内において、牛馬、豚及び鶏(以下「家畜」という。)を飼養する施設(以下「家畜飼養施設」という。)を設置している者は、周辺の生活環境に危害をおよぼすような汚水又は悪臭を排出させ、又は発生させてはならない。
2 家畜飼養施設を設置し、又は施設内で作業を行う者は、規則で定める設備基準及び管理基準を遵守しなければならない。
(家畜ふん尿槽の設置)
第18条 家畜飼養施設を設置している者は、当該家畜飼養施設から排出される家畜のふん尿その他汚物(以下「家畜ふん尿等」という。)を一定期間適正に貯溜できる施設を設置しなければならない。
(家畜ふん尿等の処理)
第19条 家畜飼養施設を設置している者は、家畜ふん尿等を適正に処理するための施設を自己又は共同で設置又は確保しなければならない。ただし、町長が特に認める場合は、この限りでない。
2 町長は、前項の規定による家畜ふん尿等処理施設を設置又は確保しようとする者に対し、資金の融資あっせん及び必要な技術指導を行うものとする。
(家畜飼養施設の設置の届出)
第20条 規則で定める家畜飼養施設を設置しようとする者は、あらかじめ町長に届け出なければならない。
2 本条例が施行された際すでに当該家畜飼養施設を設置している者は、条例施行の日から60日以内に前項の規定による届け出をしなければならない。
(家畜飼養施設の変更の届出)
第21条 家畜飼養施設を設置している者で規則で定める事項を変更しようとする者は、あらかじめ町長に届け出なければならない。
(工事完了届)
第22条 前2条の届出をした者は、設置又は変更の工事が完了したときは、速やかに町長に届け出なければならない。
(氏名の変更等の届出)
第23条 第20条の規定による届出をした者は、届出事項に変更があったとき又はその施設の使用を廃止したときは、その日から30日以内にその旨を町長に届け出なければならない。
(指導及び勧告、改善命令)
第24条 町長は、第20条及び第21条の届出をしようとする者又は届出をした者に対し公害の防止の方法その他周辺の環境の保全のための措置について指導することができる。
2 町長は、家畜飼養施設を設置している者が第17条の規定に違反し、又は前項の規定による指導に従わないときは、当該家畜飼養施設を設置している者に対し期限を定めて改善を勧告し、又は改善を命ずることができる。
第3節 生活環境の保全
(夜間静穏の保持)
第25条 何人も夜間(午後10時から翌日の午前6時まで)においては、近隣の静穏を害する騒音を発生させないよう努めなければならない。
(公共の場所の清潔保持)
第26条 何人も道路、公園、広場、河川その他の公共の場所を汚損してはならない。
2 前項に規定する公共の場所の占有者又は管理者は、その管理する公共の場所の清潔を保持するため、みだりに廃棄物等が捨てられないよう必要な措置を講じなければならない。
(清流等の確保)
第27条 町長は、水源かん養保安林をはじめとする森林の整備、砂防ダム等災害防除施設の整備等水源・清流の確保に関し、必要な措置を講じなければならない。
2 町民及び事業者は、家庭及び事業所等からの排水による汚濁防止のため、汚水ます、ろ過設備等立地条件に応じた施設を設置するとともに、適正な管理に努めなければならない。
(工事施行者の責務)
第28条 土木工事、建築工事その他の工事を行う者は、当該工事に際し土砂、廃材、資材等が道路その他の公共の場所に飛散、脱落、流出等しないようにこれらの物を適正に管理しなければならない。
2 前項の工事を行う者は、当該工事から規制基準に適合しない騒音、振動等を発生させてはならない。
(開発行為)
第29条 町域内において、1,000平方メートル以上の開発行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ町長と協議しなければならない。
(指定建築物の協議及び通知)
第29条の2 規則で定める指定建築物を建築しようとする者(以下「建築主」という。)は、建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項の規定による確認申請に先だって、当該建築計画が生活環境の保全について規則で定める条件に適合するものであることについて、関係書類を添えてあらかじめ町長と協議しなければならない。ただし、国及び地方公共団体の計画に係る事業についてはこの限りでない。
2 建築主は、前項の協議に先だち、当該建築計画について、規則で定める近隣関係者に事前に説明会を開催し、その結果について町長に報告するものとする。
3 町長は、第1項の協議書を受理した場合において、当該協議に係る建築計画が規則で定める基準に適合するときは、受理した日から1か月以内にその旨文書をもって通知しなければならない。
4 第1項の規定による協議をしようとする者は、規則で定めるところにより、その敷地内の見やすい場所に予定建築物の概要を掲示しなければならない。
5 建築主は、第1項の規定による協議の内容について変更が生じたときは、規則の定めるところにより変更の日から14日以内にその旨を町長に届けなければならない。
(指定建築物の管理に関する基準)
第29条の3 建築主は、当該建築物が共同住宅である場合、規則で定める管理に関する基準により当該住宅の適正な管理をするものとする。
(あき地の管理)
第30条 あき地(宅地化された状態の土地その他の土地で現に使用されていないものをいい、材料置場等に利用されている場合を含む。以下同じ。)の所有者等は、当該あき地に繁茂した雑草枯草又は投棄された廃棄物等により当該あき地の近隣住民の生活環境を阻害しないよう適正な管理をしなければならない。
(勧告及び命令)
第31条 町長は、所有者等が前条の規定に違反し、当該あき地の近隣住民の生活環境を著しく侵害していると認めるとき又はそのおそれがあると認めるときは、当該所有者等に対し必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。
(環境保全特別地区)
第32条 町長は、自然環境の保全又は生活環境の現状を保全する必要があると認める地域を環境保全特別地区(以下「特別地区」という。)として指定することができる。
2 町長は、特別地区指定案(以下「指定案」という。)を作成したときは、その旨を告示し、かつ、当該告示の日から起算して14日間縦覧に供さなければならない。
3 前項の規定による告示があったときは、指定地域の町民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日の翌日から起算して14日以内に縦覧に供された指定案について町長に意見書を提出することができる。
4 町長は、前項の規定により縦覧に供された指定案について異議がある旨の意見があったとき又は当該指定に関し広く意見を聞く必要があると認めたときは、公聴会を開催するものとする。
5 町長は、特別地区を指定したときは、その旨及びその地域を告示しなければならない。
6 特別地区の指定は、前項の告示によってその効力を生ずる。
7 特別地区内において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ町長と協議をしなければならない。
(1) 宅地の造成、土石の採取、たい積その他土地の形質の変更
(2) 特別地区の自然環境の保全又は生活環境の保全に著しい影響を及ぼすおそれのある行為
(廃棄物等の投棄場所等)
第33条 何人も町長が指定する場所以外にみだりに公共の場所及び他人が占有する場所又は周辺の生活環境を侵害するおそれのある場所に廃棄物等を放置してはならない。
2 町長は、前項の規定に違反している者に対し、当該廃棄物等の除去を命じることができる。
(廃棄物等の自己処理)
第34条 事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物等を自らの責任において適正に処理しなければならない。
(農業用施設の危険防止)
第35条 農業用施設(野井戸、ため池、野つぼ等)の所有者又は管理者は、当該農業用施設による危険防止のため、柵、ふたその他必要な設備をしなければならない。
2 町長は、農業用施設が危険な状態で放置されていると認めるときは、当該農業用施設の所有者又は管理者に対し期限を定めて危険の防止について必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(犬、猫等の管理)
第36条 犬、猫等の愛玩動物を飼育する者は、その動物の性質形状等に応じその動物が近隣住民の生活環境を害さないよう飼育しなければならない。
2 前項の飼育者は、愛玩動物を屋外で運動させるときは、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 愛玩動物が犬である場合は、犬を制御できる者が原則として引綱でつなぎ制御すること。
(2) 愛玩動物のふんを持ち帰るための用具を携帯し、ふんを排せつしたときは、これを持ち帰り適正に処理すること。
3 第1項の飼育者は、不要となった愛玩動物をその責任において適正に処理しなければならない。
第3章 雑則
(報告の要請)
第37条 町長は、この条例の施行に必要な限度において快適な生活環境を侵害するおそれがあると認めるときは、その者に対し必要な事項を報告させることができる。
(立入調査等)
第38条 町長は、本条例の施行に必要な限度において、関係職員に工場等その他の場所に立入り、関係帳簿、書類、機械設備その他の物件を調査し、又は関係者に対し必要な指示又は指導を行わせることができる。
2 前項の規定により立入調査等を行う職員は、身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があるときはこれを提示しなければならない。
(環境保全審議会の設置)
第39条 住民の快適な生活環境の確保について当町の実情に即した施策の樹立に資するため、町長の附属機関として日出町環境保全審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、町長の諮問に応じ、快適な環境の確保に関する重要な事項を調査審議し答申するものとする。
3 前2項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定めるところによる。
(補則)
第40条 この条例の実施のための手続その他この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
第4章 罰則
(罰則)
第41条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第37条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(2) 第38条第1項の規定による検査を拒み、妨げ等した者
第42条 次の各号のいずれかに該当する者は、1万円以下の罰金又は科料に処する。
(1) 第20条又は第21条の規定による届け出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2) 第24条第2項、第31条又は第33条第2項の規定による命令に違反した者
(両罰規定)
第43条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員がその法人又は人の業務に関し前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほかその法人又は人に対して各本条の罰金刑又は科料刑を科する。
附 則
(施行期日)
この条例は、平成2年4月1日から施行する。
附 則(平成3年7月23日条例第21号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成27年3月25日条例第12号)
この条例は、公布の日から施行する。